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新しい仕事

ネットカフェ

インドでは、カーストと呼ばれたもの。それはあまりいい言葉ではないらしく、ジャーティと言った方が良いようです。 日本語でいったら世襲制度という状態に近いかもしれません。

日本では、老舗のソバ屋さんだったら、息子は家業を継ぐべきだったみたいだし、歌舞伎の役者さんの場合は、 今でも絶対に継がないといけないみたいですよね。真相はよくわかりませんが。 近所の八百屋さんや、酒屋さんだって、やっぱり息子には家業を継いでほしかったのがちょっと前までの日本ではないでしょうか。

近年、とくにバブル崩壊以降は、景気も低迷しているせいか「商売やるよりサラリーマンが気楽でいいよ」という感じで、「家業を継いでくれ!」という 親のパワーも減退してきているのかなと感じられます。 インドでは日本よりもっとジャーティの存在により「家業を継がなきゃ」傾向は強いと思います。

ガンジス川の葬送の案内人も代々の家業だし、インド家庭料理ラニのスタッフも、兄弟全員インド料理のシェフだし。 お父さんやおじいさん、曽祖父、お父さんの兄弟、それにイトコもみんな料理人だ。(笑) そして、結婚相手も同じ職業の家庭の場合が多いので、家族だけでなく親戚一同で同じ職業ということになる。 だから、妹のダンナさんも料理人だし、その父親もやはり料理人なのだ。そんな感じなので、結局周辺の料理人は、直接の血縁はなくとも、 皆「遠い親戚」状態だったりします。(笑)

でも、最近風向きが変わってきている気がします。ここ数年のインドではIT産業が盛んです。 インドには優秀なエンジニアがたくさんいるらしい。外国からソフトの製造を受注したり、 インドの技術者が外国のIT企業で働くということで、かなり外貨を稼いでいるようです。

特に南インド方面ではそういった活動が顕著らしい。 海外に派遣する人材の研修もさかんに行われているそうです。日本向けの研修内容には、 「カラオケ」(もちろん意味はわからなくても日本語で歌う練習をします。)などもあるらしいです。(笑)

また、インドの学生はかなり訛っているという噂もあるが「とりあえず英語を使える」というのも、強みのひとつだろうか。数学も得意らしいし。

国の政策としてもIT化を推進しているらしく、デリーでは、そこら中にネットカフェができているそうです。 家庭における「常時接続」も日本よりもかなり安価で実現している模様。 学校の授業にもパソコンの時間が設定されているので、メールをしたり、ネットで検索なんてことは 学生はみんな経験しているようです。

田舎では、電気の通っていないところなんかもあるっていうのに、この落差がまさにインドなんでしょうか? ともかく、近年ソフトウエアエンジニアという仕事につく人が増えているのです。 まさかお父さんがソフトウエアエンジニアの人がいるわけないですから、家業を継がないで、 エンジニアになったってことですよね。ということは今後、世襲制度も少しづつ変化していくのかな、と思います。

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