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インドの主食ってナンですか?

日本に暮らしている皆さんは、もしや「インド人は、毎日ナンを食べている。」「インドの主食はナンである。」と思っていませんか? 実は違うんです。ナンは、皆さんご存知の通り、タンドールオーブン(土釜)で焼きます。 タンドールオーブンはインドの家庭にはありません。ですから、インドでも日本同様、ナンは「テイクアウトするもの。」あるいは「レストランで食べるもの。」 なのです。それでは、家庭では普段何を食べているのかと言えば、チャパティライスを食べています。

チャパティを焼く専用の道具「タワ」

ライスは日本と違い、「炊飯器にセットすれば出来上がり」ではないんです。 どちらかといえば「パスタをゆでる」感じに近いので、調理している間はその場を離れることができず、 大量のお湯を準備したりなど、主婦の間では「面倒」と思われています。 そのため、北インドでは主食としてはチャパティが用意されることが多いです。 チャパティとは、全粒粉(アタ:ふすまの部分も一緒に粉にした小麦粉)を水と塩で練った生地を、丸めてからめん棒で薄くのばし、専用の鉄板で焼いた、インドの薄焼きパンです。

このチャパティ作りは、インドでは「花嫁修業必修科目」となっていて、よく 「チャパティが焼けないとお嫁に行かれない。」などど言われています。 インドは日本に比べて核家族化は進んでいないので、世帯の人数が多いです。 ですから主婦は1回の食事につき、30枚ぐらいのチャパティを作ります。 チャパティの生地に、スパイスで味付けした、カリフラワー、じゃがいもなどを 包み込んで丸くして、それをめん棒で薄くのばして焼く、 パラタと呼ばれる味つきチャパティもあります。 これは子ども達には大人気です。 実際に作るのは、かなり面倒なのですが、かわいい子どものリクエストとあれば、 お母さんも精が出るというものです。

この味つきチャパティはよく「お弁当」としても活躍します。インド人のお弁当は当然カレーです。 いくらドライに仕上げても、多少汁気があります。またスパイスを使用しているので、時間がたつにしたがって、汁気が増したりもします。 そんなわけで、お弁当箱は、ステンレスの丸い容器が、重箱のようになっていて、金具で密閉できるものを使います。 このステンレスの弁当箱、かさばるし、重いんですよね。 インドの学校は学食もありますが、もちろんお弁当を持参してもいいので、 味つきチャパティを自宅から持参する場合もあります。チャパティならお弁当箱はいらないので、帰りは手ぶらで帰れます。 強引に日本のものに当てはめるなら、炊き込みゴハンのおにぎり、 みたいな感じでしょうか?これひとつで、主食もおかずもまかなえます。 「チャパティが主食である」というのは、私の育った北インドでの話ですが、 南インドでは、ライスを食べることが多いと聞いています。 ちなみに インド家庭料理ラニ がレストランで提供しておりますチャパティは、 タンドールオーブンで焼いていますので、家庭で作るチャパティとは、ちょっと違う仕上がりになっています。

ナンのあの形の謎

ところで、ナンのあの独特の形ですが、あれって(私の知る限りでは)日本限定だってご存知ですか? 実は、インドでもパキスタンでもナンは丸い形なんですよ。これ、日本に来てビックリしたことの ひとつなんですけど、日本ではどこのレストランでも、あの形ですよね。 スーパーで売っている、パックになっているナンでさえも、あの形ですよね。

そうは言っても、インド家庭料理ラニ でもナンはあの形です。 「郷に入ったら郷に従え」ということで。(笑) もし、日本においていつからナンが「あの形」になったのか、ご存知の方がいたら教えてください。 やっぱり最初にできたインド料理店が、あの形のナンだったんでしょうか?

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