インドでは3食カレーを食べるんですか?
はいそうです。私たちインド人は、一年中、3食カレーを食べています。(笑)「毎日食べてて、飽きないの?」とよく聞かれます。 「毎食カレー」と言っても、インドのカレーは日本のカレーとはちょっと違いますので、毎日3食カレーライスという感じではありません。 日本の家庭で普通に食べられているカレーは、肉、じゃがいも、にんじん、たまねぎが具で、市販のカレールーで作ることが多い、と聞いています。 ご家庭によっては、チーズを入れたり、ソースを入れたり、コーヒー、醤油、チョコレート、はちみつ、りんご、いろいろな隠し味や お好みの具を加えたりすることもあるようで。 それでも、どんなにバリエーションを工夫しても限度がありますよね。なにしろ味の決め手は「ルー」ですからね。
野菜炒めのような料理や、いり玉子のような料理も、インドではおかずの1種に間違いありません。 インドではそれをカレーとはいいませんが、日本ではそれもcurryの1種と、とらえられているようで、そのあたりがかなり微妙です。 もともと「カレー」という言葉から想像する料理のバリエーション、つまりは「カレーの定義」がちょっと違うのかもしれません。 日本のインド料理店で、また当店でも「カレー」として提供されている料理の中にも、インド人的に言ったら、「コレはカレーとは呼ばない。」というものもあります。 でも、その話をはじめるとディープすぎて、たぶん理解不能に陥るので、ちょっとおいておきましょう。 ともかく厳密にインド人的に言えば「毎食カレーではない」のです。
インドでは料理(カレー)に使う食材も様々です。日本と比べて、特に多いのが豆の種類ですね。 インドの家庭で豆カレーは、人気のメニューです。 食材はもちろんのこと、インドには数多くのスパイスがありますので、 同じ食材を使った料理でも、様々なスパイスの組み合わせで、たくさんの種類の味を作ることができます。だから毎食カレーでも、飽きることがないのです。 そういう意味では、カレーという言葉を使わず、インド人は毎食「スパイス料理」を食べている、と考えていただければわかりやすいかなと思います。
また、インド人の食生活は宗教と切り離して考えることができません。 例えば、ヒンドゥ教にはさまざまな行事(お祭り)があり、肉を食べてはいけいない日などがあります。 もともとベジタリンの人も多いです。また、インドは国土が広いですが、気候としては暑い場所が多いです。 そのような文化や、風土の中からうまれたのがインドのスパイス料理です。