分業

インドでは業務分担が細分化されている。例えば、日本で家政婦さんと言ったら、 一人の人が専属でその家のこと全般をこなしてくれるというのが一般的だと思います。

しかし、インドの家政婦さんは、なんでもやってくれるというわけにはいきません。 お掃除専門の人はお掃除しかしません。他の事はしないのです。 食事作り担当の人は食事作りしかしません。洗濯担当の人も洗濯のみ。 原則として自分が契約した仕事以外は一切やらないということなのです。

これはホテルの厨房でもそうで、皿洗い担当は皿洗い以外のことは、基本的にやらない。 カレー担当のシェフはカレー作り以外のことにはタッチしない。 タンドール担当の人はタンドール以外の仕事は関係ない。 ですからホテルのインド料理レストランの厨房で カレー担当シェフがサンドウィッチを作るなどどいう事は、異例の事。

同じ社内やセクションでも、自分の仕事がなくてヒマで、となりのグループの野菜の皮むきがものすごく忙しくても絶対手伝わない。

これは日本の会社組織でも実際そうかもしれませんね。大企業だったら尚更、となりの部署の仕事なんて、 知ったことじゃないという感じかもしれません。もっと小さな組織で想像してみた場合、 日本だったら、小さな組織や小さな会社であればあるほど「なんでも屋」にならないといけませんが、 インドの場合はそういう理論は通用しないようです。

そんなわけで小さな商店で、お客さんがいっぱいで接客にてんてこ舞いでも、 接客担当でない人は見ているだけなんです。絶対に接客しません。 これはお客の立場だとかなり不満を感じます。

意地悪とかサボっているというよりは、役割分担が明確という感じです。 なんでこうなっているのかなというのは、ジャーティの影響も大きいと思うのですが、人口が多いので、 仕事をみんなでシェアしようということなのかな?とも思います。 本当のところはどうなんでしょうか。だからインドには「便利屋」はないと思います。

インド駐在の日本人一家などの場合は、家政婦さんをお願いするのが一般的なようです。 その場合「お食事」と「お掃除」の二つをお願いしようと思うと2名雇用することになります。 長年、駐在家庭専門でお仕事している家政婦さんは二つ以上の仕事をしてくれる人もいるかもしれません。

また、インドの交通事情は、ちょっと特殊なので、ドライバーも雇用することが多いようです。 実際、運転が困難(技術ではなく状況が)ということで、インド人家庭でも、ドライバーを雇用することがあります。

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