インドのスパイス
インド料理はスパイス料理です。 インドの家庭では、毎日、毎食スパイス料理を食べています。
その日の体調や、気候、食材、気分に合わせて使うスパイスの種類、分量や比率を決めます。 インドの食はスパイスぬきには語れません。数多くあるスパイスの中でも、代表的なものをご紹介します。
スパイスには同じものでもいろいろな呼び名があります。 おそらくほとんど英語がですが、見出しの表記が一番よく使われていると思われる名称。 漢字表記(辞書に登録されていない漢字は平仮名になっています)、読み、ヒンディ語での名称をご紹介しています。 スパイスは果実の種子や果実のまま乾燥させたものや、さらにそれを粉にしたものなど料理によって使い分けます。 こちらの情報は、料理教室 などで、受講生様に説明をする時のために用意したものです。
ターメリック
鬱金 うこん Haldi
黄色のもと。しょうがによく似た植物の根を乾燥させ粉にしたもの。
クルクミンという成分が、ダイエット、二日酔い、美肌に効果があるといわれています。
パプリカ
甘唐辛子 あまとうがらし Deggi Mirch
ピーマンの一種、肉厚の甘くて赤い品種を乾燥させ粉末にしたもの。
インドカレーには欠かせないスパイス。
ブラックペッパー
黒胡椒 くろこしょう Kali Mirch
昔は貴重品で、金と等価交換されていた時代も。辛味と香りが特徴。
未熟なものを乾燥させたのがブラックペッパーで、完熟した実の皮を剥いて乾燥させたのがホワイトペッパー。
クローブ
丁字 ちょうじ Laung
常緑樹のつぼみを乾燥させたもの。甘い香りがする。
防虫、防腐、鎮痛効果があるとされる。噛みタバコにも使用される。
コリアンダーシード
胡ずい子 こずいし Sabutt Dhaniya
香菜(シャンツァイ:タイ語ではパクチー)の種を乾燥させたもの。香菜とは全く違う香りがする。
精油はアロマテラピーにも用いられる。
グリーンカルダモン
小荳蒄 しょうずく Choti Elaichi
しょうが科の植物の果実の種。甘い香りが特徴。ピラフや、お菓子、マサラチャイに。
ベイリーフ
月桂樹 げっけいじゅ Tej Patta
フランス語ではローリエ。月桂樹の葉を乾燥させたもの。
油で炒めて香りを出して使う。そのまま煮込むことが多い。
マスタード
辛子 からし Lai
日本人もなじみのある香辛料。練りからしはチューブで売っていますし、
ホットドッグにはペーストのソースが欠かせません。インド料理ではホールのまま使うことが多いです。
辛味と香りが特徴。
レッドペッパー
蕃椒 ばんしょう Lal Mirch
カイエンペッパー、チリペッパー、赤とうがらし。刺激的な辛み。辛味成分のカプサイシンには、発汗作用、食欲増進効果あり。
クミンシード
馬芹 うまぜり Jeera
植物の種。強い香りと渋味、苦味があります。ピラフや、じゃがいものカレー、
野菜ライタ(ヨーグルトのサラダ)には欠かせません。ガラムマサラにも使われています。
スターアニス
八角茴香 はっかくういきょう Anasphal
木の実を乾燥させたもの。独特の甘い香りを持つ。
中華料理にもよく使われます。
ナツメグ
肉荳蒄 にくずく Jaiphal
にくずくの果実の種を乾燥させたもの。種皮はメース。甘い香りがする。インドでは、頭痛薬としても使用される。
メース
肉荳蒄花 にくずくか Javatri
にくずくの果実の種の種皮を乾燥させたもの。種はナツメグ。ナツメグよりやさしく上品な香りがする。
シナモン
桂皮 けいひ Dalchini
甘みを引き立てる香りのスパイス。クスノキの一種の樹皮を乾燥させた物。アップルパイなどのお菓子に使用されます。
マサラチャイにも。
ガラムマサラ
Garam Masala
インド特有のスパイスミックス。10種類~40種類ぐらいのスパイスを混ぜる。各家庭や、料理人によりそれぞれ配合が異なる。
ガラムとはヒンディ語で「暑い(熱い)」という意味。マサラはいろいろな意味があるが、ここでは「いろいろなものが混ざり合った」という意味。
味というよりはむしろ仕上げに「香り」をつけるために使用される。
アジョワン
Ajwain
セリ科の植物の種子。タイムを甘くしたような香りが特徴。苦味と辛味があり、整腸作用があるとされる。
精油はアロマテラピーにも用いられる。