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サフランライスありますか?

インドで通常食される長粒米

よくお客様から「サフランライスないですか?」「こちらのごはんはサフランライスですか?」と のご質問があります。結論から先に申し上げると「ラニにはサフランライスはありません。」

インド家庭料理ラニでは、ゴハンは日本の普通のお米を使っています。「ジャポニカ種」ですね。 ずんぐりしていて粘りの強い米です。銘柄は「あきたこまち」です(笑)。インドでは、細長くて(長粒米)パサパサのお米「インディカ種」を食べています。

ずいぶん前に、日本で「米がない!」という騒ぎになった時に「タイ米」というのが流通しましたが、アレと似ています。 で、どうしてインド家庭料理ラニでは本場のインディカ種のお米を出さないのかと言えば…。 ここは日本ですから、日本のお米の方が手に入りやすいという理由はもちろんですが、 なにより私自身が「日本のお米の方がおいしい」と思うからです。 また、お客様もほとんどが日本人のお客様ですから、食べ慣れた日本のお米の方が、おいしくお食事していただけると考えているからです。

サフランライスの謎

実は逆に私が「サフランライス」について、教えてほしいことがあります。 サフランライスと言えば、よくインド料理屋さんで、 お山の形になって出てくるあの黄色いゴハンです。 「サフラン」ライスという呼び名ですが、実際はその黄色い色の元は、ターメリックだったりする 場合が多いと思います。 私の経験では(ちなみに私の出身はインドの首都ニューデリです。)、 インドでは、自宅でもお父さんのレストランでも、自分が勤務したホテルのレストランでも、 友人や親戚の家、近所のレストランなどなど、どこに行っても 通常の食事として供される「サフランライス」にお目にかかったことがないんです。 通常の日常生活ではない、お祝いの「ハレの日」にサフランライス のような色つきご飯を作ることがありますが、それ以外ではまず食べないです。 日本でいう「お赤飯」のようなもので、この色つきご飯にはお祝いの意味がこめられています。 でも、この色つきご飯はミティチャワル(ミティ=甘い、チャワル=ご飯)と呼ばれる甘いご飯なので、 やはり日本のインド料理店で供される「黄色いサフランライス」とは趣を異にするものなのです。

インドの家庭で「サフラン」を使うもの と言えば、チキン料理とビリヤニ(ピラフみたいなもの)などにサフランを使う場合も ありますが、あまり一般的ではありません。サフランはとても高価なスパイスなので、 普段、家庭ではあまり使いません。一般家庭でのサフランの用途として一番多いのは、 練ったサフランを額につける祝福の儀式、ティラック(Tillac)に使うことだと思います。 ですから来日当初の私は、日本のインド料理レストランに行って、びっくりしたんですよね。 なんでお米が黄色いのかな?と。しかも、次第に気付いたことですが、 ほとんどのインド料理レストランがそういうことになっています。 日本ではインド料理=サフランライス、となっているようです。 いったいいつから、どういう理由でそうなっているのか…私が知りたいです。 そしてなぜかほとんどのお店が、ゴハンを プリンカップから出したかのような整形をしています。かわいくていいと思うのですが、あれも謎です。 でもおそらく長粒米だったら、パサパサなのでお山の形にはならないでしょうね。 試したことはないんですが。

かわいく整形したサフランライスというスタイルはいつごろから確立されたのでしょうか? 日本で最初にできたインド料理屋さんがそのスタイルだったのでしょうか?もし知っている方 おられましたら教えてください。あるいは、インドは国土が広大なので、私の知らない とある地方では普段サフランライスを食べているところもあるのかもしれませんね。 私はデリー生まれのデリー育ちですが、ホテル勤務時代には、インド国内の北の端から南のはずれまで、様々な出身地の料理人と一緒に仕事をしました。その経験からも聞いたことがないんですよね。

ともかく日本においては、インド料理=サフランライスという法則が成り立っている様子ですが、 インド家庭料理ラニには「サフランライス」はありません。

インドの米料理